03月302009年春 香港・セブ島研修旅行  end

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期間

2009年3月22日(日)~3月28日(土)

旅 程

3/22(日) CX581便 16:20/21:00 札幌/香港

3/23(月) 午前:香港市内研修

午後:CX921便 16:00/18:40 香港/セブ島

3/24(火) 午前:ヤクルト・セブ訪問 - 販売実習

午後:南フィリピン大学訪問 - 交流会&夕食会

3/25(水) セブ島 自由研修

3/26(木) CX920便 12:45/15:25 セブ島/香港

夜:森氏(香港ヤクルト)との夕食懇談会

3/27(金) 香港市内自由研修

3/28(土) CX580便 09:40/15:10 香港/札幌

参加者レポート

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「外から見た先進国、日本と自分」

天野有沙

私は2009年3月22日~28日に行われた海外研修旅行に参加し、香港とフィリピンのセブ島にそれぞれ3泊した。一週間の弾丸スケジュールのなかで、数えきれないほどの衝撃や感動を肌で感じることができた。その中でも、自分の中で特に印象に残っていることをまとめると、準備の大切さ地域に合わせたマネジメント貧困層の悪循環の3つである。

1.準備の大切さ

今回の研修旅行のメインイベント、3月24日に行われたセブ島の現地の大学でのプレゼンテーション。出発の一か月前、春休み課題の「グローバル仕事術」を読んだ直後だった私たちは、それに書いてあったように、期日を決めてその日までにどこまで作業を進めるかを決めることから準備を始めた。期日までにそれぞれの作業を終わらせることは難しかったが、資料集め、スライド作成、原稿の作成までを、なんとかはじめに計画した通りに進めることができた。しかし、出発の4日前に知らされたプレゼンの予定時間で、最後の最後にドタバタしてしまったが、前日の夜遅くまで自分たちのできる限りのことをして、プレゼンを無事成功させることができた。

プレゼンを終えて夕食場所に移動する車の中で、原稿を作っている途中、何度も放棄したくなったことを思い出した。たった3行の言葉を考えるのに2時間も3時間もかかってしまったこともあった。しかし、このプレゼンの準備にかけた時間と努力は決して無駄にはならなかった。

その後、夕食を食べるときに隣に座ったESLの先生が、’You must be Alyssa, your presentation was great.’と声を掛けてくれた。発表の前にちょこっと言っただけの自分の名前を覚えていてくれたことにも感動したが、褒められて驚いたし、何より素直に嬉しかった。自分の中で達成感を味わったり、準備期間に作業している姿を見てくれていたメンバーや先生に「良かったよ」と言われたりするのとは違う嬉しさだった。

正直、彼女にそう言われるまで、とにかく自分の仕事を終わらせること、プレゼンを完成させることに必死で、プレゼンを見に来てくれる相手のことを考えていなかったことに気がついてはっとした。結果オーライであったが、またプレゼンをする機会があれば、その点を踏まえてもっと良いものにしようと思った。もちろん計画の段階から力を入れて、improveされたプレゼンにする予定である。

2.地域に合わせたマネジメント

今回訪れた、香港とフィリピンの両国で、ヤクルトで働く日本人の方のお話を聞くことができた。お二方の話を聞いて驚いたことは、その販売する地域に合わせた販売方法でヤクルトを売っているということだった。フィリピンではヤクルトレディが住宅地をそこに住む人々と親しげに会話をしながら1、2本ずつ売り歩き、香港では、訪問販売は行わず、スーパーマーケットやコンビニでの店頭販売、さらにバーやカジノなどでカクテルとして販売されていると聞いて驚いた。カジノが有名なマカオならではのユニークな販売方法だなと感じた。さらに販売方法だけでなく、ヤクルト1本の量も、日本65ml、フィリピン80ml、香港100mlとその地域によって異なる。香港で食べたお粥、麺、ご飯…すべて量が多いと感じていたら、ヤクルトの量も多かった。

さらに、ヤクルトのほかにも販売方法の違いを感じた。セブでの自由行動の日に、観光客がたくさんいる大きなショッピングモールではない、地元の人しかいなさそうなスーパーマーケットに立ち寄ることができた。一歩足を踏み入れると、お店の人が珍しい客が来たという感じで頭の先からつま先まで見てきて少し怖かったが、気になることがあったので勇気を出して入ってみた。

その確かめたかったことというのは、東南アジアの発展途上国では紙オムツが1枚ずつ売っている、とテレビ番組(2009年2月23日放送、テレビ東京、カンブリア宮殿(http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20090223.html)で観たのを本当かどうか実際に見てみたかったのである。紙オムツが1枚で売っている理由は、日本やアメリカのような先進国では当たり前のように毎日紙オムツを使うが、発展途上国では未だに布オムツが主流で、出かける時だけに紙オムツを使うなど、大量に買う必要がないからである。日本で売っているような一袋に何十枚も入った大袋では、オムツ1枚のコストパフォーマンスはいいかもしれないが、全体としての値段が高い上にそんなに枚数が必要でないので結果として売れないのである。

実際にスーパーのオムツ売り場では小さな袋に1枚だけオムツが入ったものが売れ筋のようだった。さらに、シャンプーもボトルで売っているものは少なく、一回分ごとに小分けにされたものがたくさん売られていたり、化粧水は日本でいう旅行用のサイズのものが並べられていたりして、普段の生活で使う消耗品は日本で売っているサイズのものはほとんど見かけなかった。そこに住む人々の生活を踏まえた上でのマーケティングの方法があるということを実感できた。

3.貧困層の悪循環

今回の研修旅行で最も印象深かったことは、セブで見た貧困層の人々である。

セブでヤクルトの配達をしているときに、想像していたよりも酷い状況の家々に言葉をなくしていると、7歳くらいの男の子が寄ってきて、私が履いていた黒いビーチサンダルと、彼が履いていた明らかにサイズの合っていないボロボロの黒いビーチサンダルを交互に指さして、「同じサンダル」と言うように、ニコッと笑いかけてくれた。それまでは住民の人たちに、私たちは何者だろうというような目で見られていた気がしたが、それで少し気が楽になった。しかし、やはり、きれいとは言えなさそうな生活排水が流れる細い用水路で遊んでいる子供たちを見ると、いたたまれない気持ちになった。

車道には水や新聞、マンゴスチンなどものを売る人がいたり、中には売るものがなくて、ただお金をせびる子供もいたり…。セブで見た貧困問題は本当に衝撃的で、言葉が見つからなかった。しかし、大学やショッピングモールにいた現地の人々は貧しい身なりの人は誰一人としておらず、貧富の差を痛感した。貧しい層の人々が、貧困から抜け出すには仕事をしなければならない。しかし、貧しい層の人々はほとんどが教育を受けておらず、読み書き、計算ができないことが多いそうだ。ほとんどの場合、読み書きや計算ができないと、必要最低限なことでさえも理解できずに仕事が務まらない。よって仕事ができない。お金を稼ぐことができない。こうして貧困の悪循環に陥っていく。

この悪循環をストップさせるには教育をしっかり受けさせることが必要であると感じた。フィリピンの就学率は83%(2006年、しかも低下傾向にある)で、日本の就学率100%がいかに恵まれた数字であるかがわかる。

生まれる場所でこんなに違う人生があるのなら、自分は日本に生まれて幸運だった。豊かな国に生まれたからには、貧困にあえぐ人々に、なにか手を貸さなければいけないと思った。

最後に

私にとっての研修旅行は、新千歳を発った3月22日より前、プレゼンの準備を始めたころから始まっていた。前回のシアトル、バンクーバーBCへの研修旅行での「積極的になれなかった」という失敗をまた繰り返すわけにはいかないと、自分なりにではあるが努力することができた。全体を通して、自分のなかでは合格だったと思う。しかし、1で述べたように、相手がいるということを意識することを始め、反省すべき点もいくつかあげられる。例えば、英語さえ話せられれば大丈夫だと思っていたことである。香港でタクシーに乗って英語で話しかけたが通じずに悔しかった。次回は、せめて「こんにちは」「ありがとう」などの挨拶と「~はどこですか」くらいは覚えていこうと思った。英語で’Thank you’と言われるより、聞き慣れた地元の言葉でお礼を言われた方が嬉しいはずだ。そして、研修旅行から帰ってきて、外から見る日本だけではなく、海外で暮らす日本人、日本で暮らす日本人、そして自分自身のことを再確認できた。日本では当たり前のことが、当たり前でないことを実際に肌で感じることができた。この経験を生かして次へステップアップしていきたい。

最後に、このような素晴らしいチャンスを下さった菅原先生を始め、フィリピンヤクルトの江上さん、香港ヤクルトの森さん、セブでガイドをして下さった前原さん、トラベルファイブの下村さん、ヤクルトの段取りをつけていただいた平野様、ここで感謝を述べたいと思います。本当にありがとうございました。